「NHKスペシャル 四大文明 メソポタミア」

一粒の麦と泥の出会いから世界最古の文明は始まった。約1万年前、肥沃な三日月地帯と呼ばれる丘陵地帯で麦の栽培を始めた人類は、約7千年前、チグリス・ユーフラテス川下流域のメソポタミアの平原に移住し、肥沃な泥と出会い、灌漑を行い、麦の収穫を飛躍的に増やした。やがて都市が形成され、交易が始まり、文字が生まれ、法律が作られていった。イラク各地にメソポタミア文明の遺産を訪ね、不毛の砂漠地帯に栄えた古代文明の実像に迫る。

図書館でDVDを借りてきた。以下、メモ。

  • 5500年前、世界最古の文明。3800万年前の人類最古の成文法、ハンムラビ法典。チーズ、ヨーグルト、ザクロなどの食べ物は今でも変わらない。
  • メソポタミア人は現世志向だった。来世の永遠なぞは信じない。
  • 都市国家ウルでは、4400世帯、3万人が住んでいた。港もあり、ペルシャ湾へとつながっていた。
  • チグリス・ユーフラテスの源流、アナトリア高原あたりで野生の麦の栽培がされていた(9000年前のチャユム遺跡がある)。これは石臼で挽いてクレープ風に料理された。この麦が7000年前、平原に運ばれて、メソポタミア文明が発祥した。
  • 当時は町のすぐそばをユーフラテス川が流れていた。シュメールの都市はユーフラテス川沿いに発達。町には運河が引かれ、農耕にも利用された。
  • 河の水はアナトリア高原からやってくる。洪水が不定期に起こった。エジプト文明とは異なって、川の氾濫は天罰だと思われた。アナトリア高原はとても美しい所。
  • 麦、それを食べる人、などの絵が楔形文字へと発展して、文字が発明された。粘土板の解読の結果、麦の収量倍率が76.1倍であることが分かった。中世ヨーロッパでも2倍なので、これは驚異的。
  • 食糧が備蓄され、階層が形成された。建物は日干し煉瓦で作られ、神殿も形成された。一般人は世界最古のビールを飲んでいた。
  • ギルガメシュ叙事詩ギルガメシュ都市国家ウルクの王。永遠の命を求めて旅に出たが、女神が現れ「現世を楽しく生きるように」と諭された。現世主義。
  • シュメール文明の発生期、紀元前3500年から、ラピスラズリという石がアフガニスタンから運ばれていた。広い交易圏の成立。これに伴って契約観念が発生し、粘土板などで契約内容が確認された。
  • 契約観念のひとつの結果が、バビロニア王ハンムラビによるハンムラビ法典。3800年前。イランのスーサ遺跡で20世紀初頭に見つかった。アラム人が戦利品として持ち帰っていたもの(紀元前12世紀)。ハンムラビ王と太陽神シャムシュが描かれ、太陽神から権力と支配の象徴が王に授与されている。
  • シュメール人は車輪も発明した。羊の毛で作った服がはやっていたことがある。
  • 塩害で国力が鈍った。塩害(毛細管現象)に対処するためには、塩の浮いた土地に塩水をかけてやると良いのだが、シュメール人はこれを怠った。