井口奈己『犬猫』(2004)

94分 監督・脚本・編集 井口奈己 出演 榎本加奈子藤田陽子忍成修吾小池栄子西島秀俊
舞台は東京近郊の一軒家。ヨーコ(榎本加奈子)は留学するアベチャン(小池栄子)の留守を預かることになっていた。そこへ古田(西島秀俊)の家から飛び出してきたスズ(藤田陽子)が転がり込んでくる。スズとヨーコは幼馴染なのだが、それほど仲が良くはない。理由は二人の性格が全く違うこと、それだけならまだしも好きな男のタイプが同じという決定的な問題も抱えている。そんな犬猿の、いや犬猫の仲の二人が同じ屋根の下で共同生活を始めることに…。(早稲田松竹HP)

普通の女の子の日常が淡々と描かれるのだが、この女の子たちは頭の弱い人たちで、等身大の日常を超える事象については、何の想像力も持ちあわせていない。好きなものに囲まれて日々を送り、ときには男を取り合って、気持ちが乱れたりする。
日常を超える想像力をもたない女の子の日常。そんな日常が映画の主題となりうるはずがないわけで、監督の見識の低さ、無教養ぶりが露わになっている。頭の悪い人がよくやりがちだが、自分が好きなもの、自分にとって趣味良く感じられるものを、他人に押し付けるのはやめて欲しい。河瀬直美西川美和荻上直子の系譜に連なるイタイ女性監督だと思う。