岡田英弘によると、歴史とは中国文明の「歴史」と地中海文明の「歴史」があるだけだというが、歴史を語る前提となる時間意識にも、それは関係する。文明圏には属さない、トーテミズムの社会。
伊東俊太郎『比較文明』(UP選書)は、人類史を五つに区分する。(1)人類革命から農業革命へ(前二〇〇万年〜前一万年)、(2)農業革命から都市革命へ(前一万年〜前三五〇〇年)、(3)都市革命から精神革命へ(前三五〇〇〜前八〇〇)、(4)精神革命から科学革命へ(前八〇〇〜一六〇〇)、(5)科学革命以後(一六〇〇〜一九五〇)。そして、「心と物の調和」「精神と物質の統合」としての「人間革命」(77)。
タレスの先を行く、アナクシマンドロスの「時間」。アナクシマンドロスは、ソロンの改革の時代の人だった。ペイシストラトスによるホメロスの流布、書物市場の成熟。