2006-12-13から1日間の記事一覧

溝口健二『山椒大夫』(1954)

小雨がぱらつくなか、フィルムセンターへ。 山椒大夫(124分・35mm・白黒) 鷗外の有名な短篇を下敷きにした、親から引き離されて奴隷生活を強いられた兄妹の悲劇を綴った作品だが、中世の荘園や奴隷制度に対する厳密な調査が反映されており、溝口作品として…

『夢の砦』(新潮文庫)

今朝方、読み終わる。自分のなかで小林信彦という人の存在が俄然重みを増したのに気づく。前にも引用したが、再び引用。 ただし、主人公が、自分の作った雑誌から追われる後半のクライマックスは、九十パーセント、ぼくの体験したことだ。この〈体験〉は、ぼ…