今日は雑務で疲れた

今日は、研究室の雑務などで、あわただしく過ぎ去った一日だった。慣れないことをすると、確実に疲れる。普段、疲れることをすることに慣れていないので、二重に疲れる。明日も忙しくなりそうだ。飯田橋名画座でやっている映画が明日までなので、無理を押して今夜見に行く。
結局、入場できたのは始まってから40分後。筋はまったく理解できない。それでも、しばらくすると内容がおぼろげながら分かりはじめた。小説家の父親と声楽家志望の娘との精神的対立を描いた映画であるらしい。父親は、女性の容姿にすごくこだわるタイプで、娘は、自分がデブであることにコンプレックスがあるようだ。娘はいつも、「自分はどうせデブだ」と父親と彼氏にあたり散らしている。でも実際にデブなのだから、しょうがないだろうと思う。
ところがある晩、父親が娘の演奏会にやってきたのである。娘を褒めてあげる格好のチャンスが到来したわけだ。娘も期待、観客も期待。で、父親は、といえば、いつものように、出演した女性の容姿を品定めしているだけ。娘は怒りを爆発させた。
それにしても、スローテンポで静かな映画。映像も穏やかで、淡々と進んでいく。私は昼間の疲れが出て、ふと眠くなってしまった。ウトウトしてしまい、見上げたところ、口論していた娘と父親がなぜだか和解の様子。おたがいに穏やかに語り合っている。娘は、その場から逃げ出していた彼氏を探すため、自転車で外へと走り出した。自転車で疾走する場面が、あきらかな高揚感に満たされはじめる。ピアノと声楽に、オーケストラが加わり、感動のフィナーレへ。
――明らかに感動についていけていない自分。仕方なく、こんな日もあるのさと自分を慰めた。