『徹底検証 大学法人化』

今日読んだ本は、中井浩一『徹底検証 大学法人化』(中公新書ラクレ)。何気なく読みはじめたのだが、非常に重要な本であることに気づく。
橋本政権下での行革路線のなかで国立大学独立法人化という方向が打ち出されたこと、通産省傘下の科学技術庁が文部省に加わったこともあって文科省経産省の間で教育分野での利権争いが繰りひろげられていること、文科省の「行政指導」が大学関係者に「本当は自由に何をしてもいいはずなのに、いけないんじゃないかといういわれなき恐れ」(蓮実重彦、142)を生んできたこと、実際のところ法人化にはプラスもマイナスも両方あるだろうということ、大学にかぎらず教育行政一般に現場と行政との間での構造的欠陥が見られることなど、「大学法人化」問題は、重要な論点をいくらでも含んでいる。後日、整理して論じたい。今日はこれから一仕事あるので。