疲れた
安くで見つけたので、ペラペラとめくってみる。
網野善彦の逸話で有名なあの北園高校、斉藤貴男の出身校だったんだね。
「学校群制度批判」への懐疑などが示されていたりするが、たしかに学校間格差を認めるとすると、それはどの程度、どのような理念によって認められるのかが問題となるのだよね。だがそれは難問であって、だから斉藤のように「格差はなくすべき」という意見も生じうるわけだ。
あと、日の丸・君が代の問題。これに反対する政治的・思想的な理屈は分かるとして、現場の教員たちにとって、この問題がどのように感じとられている/とられうるのか、という視点が重要なように思ったね。政治的な言語に説明を回収してしまうのでは問題構造が見えなくて、もっと感覚のレベルで「何が失われると感じられているのか」の説明が必要だと思う。たぶんそういう「自由」の「侵害」が感じとられやすい現場なのだよ、教育という領域は。真面目な人ほど。
斉藤の論理はしばしば飛躍しているが、こういう左翼のエネルギーって、やっぱりすごく貴重に感じる。運動論レベルで、良質なジャーナリストであるのは間違いない。
- 作者: 斎藤貴男
- 出版社/メーカー: 同時代社
- 発売日: 2005/12/01
- メディア: 単行本
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