『会議は踊る』

フィルムセンター。1931年、エリック・シャレル監督。

ナポレオン失脚後のヨーロッパ再建を協議するために開催された1814年のウィーン会議を背景に、ロシア皇帝アレクサンドル一世(フリッチュ)と、手袋売りの娘(ハーダヴェイ)の恋愛模様を描いた華やかなオペレッタ映画の代表作。1934年度のキネマ旬報第2位。(パンフより)

いわゆる名画。実際、とっても素晴らしい。色好みで、英雄的な皇帝。夢見がちで、お転婆な、気のいい娘。計算づくのメッテルニヒでさえ、なんだか牧歌的に見える。本当に悪そうなタレーランは、あまり描写されない。
モチーフからいって『マイ・フェア・レディ』なんかに近いように感じたが、この映画が優れているのは、ロケの撮影だと思う。純粋な恋愛ストーリーだけだと甘ったるくなってしまうが、皇帝の出迎えなどでダイナミックな構図や音楽が現われるので、中だるみしない。ダイナミズムと一期一会の心理描写が、絶妙に溶けあっている映画だった。