メモ

人文学部が出来て、そのもとで国民部というのが出来て、その後、13Cくらいになると、コレージュが出来る。大学にあって人文学部の威信が高かったのは、それが論理学教育をおこなっていたからだ。コレージュでも論理学教育が行われた。論理学は、キリスト教の信仰を理性によって高めていこうとする中世の知的情勢のなかで、非常に重要な学問だと見なされていた。そこではアリストテレスの論理学が金科玉条とされていたが、このような論理学や討論が教育内容の中心とされていたのは、中世にはまだ実験的推論の方法が発見されていなかったからである。実験的推論は、事物によって知識を得る方法だが、当時は論理によって真理の確からしさに迫っていく方法のみが、真理を明らかにしうると考えられていたのである。
実験的推論の方法は、事物の意義を高く評価する点で、19世紀以降の体験型教育=新教育(⇔知育偏重教育)を誕生させる要因ともなったものである。しかし、これはガリレオなどによって導かれた科学革命を待たなければならなかった。とはいえ、ルネッサンスの論者が描いたように、中世を暗黒の時代と見なすのは誤りである。中世には、信仰を理性によって強化しようとする意識が強まり、このことが、教育の組織に革命的な変化を生じさせた。また教育内容に関しても、論理学は信仰にもとづく道徳的熱情を伴っていたのである。
まあ、こんな感じかな。