1997年

いまさっき「カウントダウンTV」という番組で、「1997年歌のベストテン」というのをやっていた。1位がパフィー渚にまつわるエトセトラ」、2位が広末涼子「Majiで恋する5秒前」。3位と4位は、MAXとシャ乱Q
正直、懐かしい。その当時、父親に車の中で「おまえ、ヒロスエっちゅうヤツ、カワイイと思うか?」と聞かれ、「まあ人気あるしなぁ。カワイイんとちゃう?」と答えたら、「オレはあんなん、全然カワイイ思わへん。あんなもん、どこがエエんや。オレには分からんわ」と自信満々に宣言されたことを思い出した。
いまから思えば、「オレの基準は吉永小百合や」とでも言いたかったのだろう。たしかにそれを言われると厳しい面もあるのだが、でもあのときのヒロスエをかわいいと言わないとしたら、今はどうなるのだという大問題が残ってしまう(たいした問題ではないが)。
さらに1997年当時は、近代家族規範の動揺が噴き出していた頃で、古典的清純派アイドルがベタに消費されうる最後の時期であったという意味で重要である。広末はその点で歴史を画した存在だったといえるのではないか。その後、「いやし系」というジャンルが出来たが(元祖は本上まなみだったか?)、「いやし系」は性的側面が去勢されたところに成立するので、あくまで性的なものがタブー化されている(そうであるがゆえにいっそう性的な)「清純派」は、やはり今では成立不可能なカテゴリーといえるだろう。