調子の悪い人は読まないで

読み終わったらちゃんと書評するけど、つくづくすごいな。次の引用、調子の悪い人は読まないで。鶴見俊輔夢野久作』より。

その牡犬を地均(じならし)した御宮の前に生き埋めにして、首から上だけ出したまま一週間放ったらかして置くと、腹が減ってキチガイのようになる。そこでその汐時を見計らって、その犬の眼の前に、肉だの、魚だの、冷水(おひや)だのとタマラナイものばかりをベタ一面に並べて見せると犬は、モウキチガイ以上になって、眼も舌も釣り上った神々しい姿をあらわす。その最高潮に達した一刹那を狙って、背後から不意討ちにズバリと首をチョン斬って、かねて用意の素焼きの壺に入れて黒焼きにする。その壺を御神体にして大変なお祭り騒ぎを始める。

こうやったら犬神が現れる。