月島・『商船テナシチー』

フィルムセンターで『商船テナシチー』を見た。双葉十三郎さん、絶賛の作品。眠かったせいもあって、私はピンと来なかった。でも、いい映画だとは思う。
一仕事終えて、月島へ。チーズもんじゃとお好み焼きを食べる。付近を散歩する。途中、可愛いミニチュア・ダックスフンドが居た。白と茶が交じっていたので、雑種かもしれない。とにかく可愛い。お腹と首のあたりを撫でまわしたら、ゴロンとお腹を見せて横たわった。可愛い。調子に乗って、そのあと出くわした人懐っこい猫まで撫でまわした。こっちの方は、特別かわいかったわけではない。でも酔っ払っていたからね。
佃島をぶらぶら歩き、隅田川に出る。季節が良いのか、風が気持ちいい。大川端リバーシティーの灯りが映って、水面がゆらめく。浅草方面へ屋形船のような船が走っていく。昨晩、三遊亭円生『江戸散歩』(朝日文庫)を読んでいたので、年老いて病んだ花魁が、ドボンと川に投げ込まれる話を思い出した。暗い話を思い出したので、芥川の「大川」の一節も思い出されてきた。
いざ門前仲町へ。なぜかといえばブックオフがあるから。隅田川を横切る大きな橋の上からの眺め。あの明るいのは浜松町とかその辺かな、とか思う。それにしても隅田川ってのは、江戸情緒が残っているのか、残っていないのか。よく分からんが、今は今できれい。小林清親だったらなんて言うだろう。
ブックオフ。まずまず本が揃っている。大村敦志『父と娘の法入門』(岩波ジュニア新書)。樺山紘一『地中海』(岩波新書)。小林信彦『私説東京放浪記』(ちくま文庫)。小林信彦『東京散歩 昭和幻想』(知恵の森文庫)。小熊英ニ『日本という国』(理論社)。『滑川通夫随想集』。購入。
大江戸線に乗って帰る。