読書
一昨日、シュミット『政治的なものの概念』を105円で見つけ、今日ざっと読んだ。いつか引用してもよいけど、有名な友敵理論には明らかにメディア概念との理論的接続性が見受けられる。国家をアソシエーション的に概念化する18世紀のブルジョワ偏向性をシュミットは鋭く批判したわけだが、政治的なものの「本質」が友敵関係だ、という言明には曖昧さが残っている。メディア概念がそうであるように、それはあくまで概念記述の分析装置として優位性をもつにすぎない。制度が理念的実在である以上、国家には彼の批判する結社としての性格も含まれる。しかし、たとえ記述レベルであっても、友敵理論がきわめて優れた概念化であることは確か。