デルス・ウザーラ

(143分・35mm・カラー) Дерсу Узала
探検家アルセーニエフとその仕事を助けた猟師デルスの友情を、極東ウスリー地方の大針葉樹林を背景に描いた大作で、風などの自然の表現も素晴らしい。モスフィルムに招かれた黒澤明が、苛酷な長期ロケーションの果てに、若き日からの映画化の夢をついに実現した一本。
’75(監)(脚)黒澤明(原)ウラジーミル・アルセーニエフ(脚)ユーリー・ナギービン(撮)中井朝一、ユーリー・ガントマン、フョードル・ドブロヌラヴォフ(美)ユーリー・ラクシャ(音)イサーク・シュワルツ(出)ユーリー・ソローミン、マクシム・ムンズク、スヴェトラーナ・ダニリチェンコ、ディマ・コルシコフ、スイメンクル・チョクモロフ、ウラジーミル・クレメナ

黒澤作品だし、まあ観とくかと。今日は地味に本を読んで過ごすつもりだったのだけど。
たしかに自然描写のスケールが大きいし、デルスが「カピタン!」と叫ぶ声が人懐っこくて、朴訥で、良い。デルスは「ゴルド人」(?)なので、ロシア語が片言である。「わたし、虎、撃った。悪い。別の虎、かならず来る。悪い。」みたいな感じで。デルスの不思議な感性と自然の大きさをただ味わう映画であり、批評めいた評言は不要だろう。
途中、80歳をとうに越したと思われるお婆さんが、ビニールの袋をがさがささせているので、「うるさいから静かにして下さい」と注意してやった。ウザーラである(ギャグのつもり)。