『拳銃(コルト)は俺のパスポート』

拳銃(コルト)は俺のパスポート(84分・35mm・白黒)
宍戸錠も自らの最高傑作に挙げる和製ハードボイルド・アクション。殺しの仕事の後、その依頼者につけ狙われ、銃撃戦に巻き込まれる無口な殺し屋を、宍戸はその優れた身体性で演じぬいた。1967年は他にも『殺しの烙印』『みな殺しの拳銃』と彼のハードボイルドが花咲く年となった。
’67(日活)(監)野村孝(原)藤原審爾(脚)山田信夫、永原秀一(撮)峰重義(美)松井敏行(音)伊部晴美(出)宍戸錠ジェリー藤尾、小林千登勢、武智豊子、内田朝雄、佐々木孝丸、嵐寛壽郎、杉良太郎江角英明、草薙幸二郎

宍戸錠のホッペが気になってしょうがなかった。あれを見て、当時誰も不審に思わなかったのだろうか?
四方田先生によると、60年代の映画各社の雰囲気は、「東宝は都会の私立大学生かサラリーマンによる、明るいプチブルジョワの世界。大映は地方出身者による、いささか泥臭い世界。松竹は人情溢れる東京の下町。東映は伝統的な地方都市。そして日活はコスモポリタンな港町か、馬を乗りまわすことのできる田舎といったぐあい」(181)、ということだったそうだ。宍戸錠は「世界第三の早撃ち」というコピーがついていたそうだ。
しかし、あの最後の仕掛けはないよなぁ。