木村恵吾『初春狸御殿』(1959)

傑作。楽しい。

(83分・35mm・カラー)宮城千賀子主演の新興キネマ作品『狸御殿』(1939年)に源を発し、戦後に復活した大映の名物オペレッタ連作「狸御殿」シリーズ。ここでは大映の新人スター、市川雷蔵(=狸吉郎)、若尾文子(=きぬた姫ほか2役)を主演に、薬売り役の勝新太郎も初々しく歌声を披露している。シネマスコープに極彩色の画面作りがとことん享楽的な気分を盛り上げる正月映画である。
’59(大映京都)(監)(脚)木村恵吾(撮)今井ひろし(美)上里義三、西岡善信(音)吉田正(出)市川雷蔵若尾文子勝新太郎中村玉緒、近藤美惠子、仁木多鶴子、金田一敦子、中村鴈治郎、菅井一郎、水谷良重楠トシエトニー谷和田弘とマヒナスターズ

若尾文子がきれいで、かわいい。いかにもセット然とした舞台装置も、原色系の色彩の鮮やかさによって、すばらしく効果を挙げている。色んな民謡や踊りにもうっとり。『世にも面白い男の一生 桂春団治』も面白かったし、こういう楽しさを映画に出来る監督は、尊敬に値すると思います。