マキノ雅弘『次郎長三國志 次郎長賣出す』(1952)

次郎長シリーズ。

公開:1952年 監督:マキノ雅弘
主演:小堀明男、若山セツ子、田崎潤、森健二、河津清三郎田中春男、広沢虎吉、豊島美智子
義理と人情と浪花節で綴られる東宝版・次郎長シリーズの第一弾。いずれは天下の次郎長親分となる米屋の息子・長五郎が喧嘩の仲裁に入り男を上げる。やがて、純でおかしな桶屋の鬼吉、ニヒルな旅人・関東綱五郎、ワケありの元武家・伊藤政五郎、元好色坊主・法印大五郎らが次郎長の男気に惚れ大集合。中でも「子分にしてちょうよ」と名古屋弁で強引に迫る、子分第一号・桶屋の鬼吉は夢に出るほど印象強し!

桶屋の鬼吉のカァーッとなって、デレッとした表情が最高。義侠心が篤いのに小さなことにこだわらず、何でも笑い飛ばす長五郎のキャラクターも得がたい造型。浪曲の魅力もあるし、若山セツ子の明るく可憐な芝居も見所。
感情移入できるのに、異様にキャラが立っているのは、すごいと思った。