マキノ雅弘『次郎長三国志 第五部 殴込み甲州路』(1953)

大傑作。江尻の大熊(澤村國太郎)が立川談春に激似!!

公開:1953年 監督:マキノ雅弘
主演:小堀明男、河津清三郎森繁久彌田崎潤、小泉博、久慈あさみ、若山セツ子、加東大介
清水港は秋祭り。叶わぬ恋にぐずついて酔ってうたうは黒田節。お千ちゃんの嫁入り駕籠をかつぐことになる傷心の鬼吉と綱五郎。一方、親分とお蝶のオノロケにやんややんやの次郎長一家。そこへ投節のお仲さんが猿屋勘助の人質になったと知らせが舞い込み、矢も盾も堪らず甲州へと殴込む!乱戦の中、石松は片目を切られ、豚松は…。目潰しの粉袋が一面に投げ付けられるダイナミックな殺陣場面に思わず息を呑む!

楽しく晴れやかな秋祭りから、お仲さんの送り出しに憂いが芽生え、しだいに悲劇への予感が不気味にざわめき始める。怒涛の大殺陣場面もどこか悲愴感が漂う。圧倒される。