マキノ雅弘『次郎長三国志 第七部 初祝い清水港』(1954)

清水のいつもの場面から始まる。ほっとする。

公開:1954年 監督:マキノ雅弘
主演:小堀明男、河津清三郎森繁久彌久慈あさみ越路吹雪田崎潤田中春男、小泉博
母親のない喜代蔵少年がお仲さんを慕い、自分のおっかさんになってくれとせがむ。一方、次郎長一家は死んだお蝶の百か日を迎える。ふぐの手料理で酒宴をなすが、そのふぐの毒で動けなくなったという噂を聞きつけて、保下田の久六一味が奇襲をかけてくる…。喜代蔵少年とお仲さんのやいのやいののやり取りが、得も言われぬ妖艶さを帯びたシリーズ第七部。

『続清水港』でも六歳の長門裕之が出ていたが(稲垣『無法松の一生』でも子役でした)、まだ少年の長門とお仲さんの演技が素晴らしかった。長門は津川の兄でマキノの甥でマキノの姉の夫の澤村國太郎立川談春似)が父、というような人間関係がまだよく分からない。沢村貞子が叔母で澤村國太郎の弟が加東大介で…。