マキノ雅弘『次郎長三国志 第九部 荒神山・前編』(1954)

出演:若原雅夫、小堀明男、水島道太郎、角梨枝子、田崎潤千秋実田中春男(1954年 82分 東宝
神戸の長吉と安濃徳の縄張り争いの仲裁に立った吉良の仁吉。しかし安濃徳の黒幕・黒駒勝蔵を敵に回してしまったため、次郎長一家と共に荒神山で一戦を交えることに!次郎長三国志第八部が最終部と思いきや東宝側から次も撮ってくれとのお達しが下り、マキノが再びメガホンを取った第九部。後編は撮影されず未完のままだが、必見の価値ありの一本。

百姓に許しを乞う場面、豪華な結婚式の場面(木暮美千代!)、勘当された子分たちと次郎長が出会う場面などなど、ただ映像を見ているだけで満足という境地に突入しているので、未完なのは残念だけど、まあそれはそれで仕方がないですね。水島道太郎の小政がカッコイイ。お母さんに別れの挨拶をするシーンが良かった。森繁がいないのはやはり寂しい。