冨永昌敬『パビリオン山椒魚』(2006)

新文芸座

2006年 98分 監督・脚本:冨永昌敬 出演:オダギリジョー 香椎由宇 高田純次 麻生祐未 光石研 KIKI

凡作の域を出ない。ぜんぜんダメ。
山椒魚を利権にしている金持ち一家のなかに母を探す末娘がいる。じつは末娘の姉とされている人物こそ父親の愛人であり、娘の母なのだ。しかし姉はある男を殺して自らも死んでしまう。真実を知った娘は…というストーリー。
ストーリーは大まかにあるものの、どこまで馬鹿馬鹿しい絵を生み出せるか、という点に力が注がれている。記号的な戯れのなかで、意表を突いた笑いを狙っていたりもしている。冒頭部分では、鈴木清純風の不条理シークウェンスがパロディー化されている所もあった。
でも、笑いのレベルは小学生並み。映像の強度も感じられず、音楽のセンスも悪い(菊地成孔)。映画監督としての才能は無いと見た。今すぐ廃業した方が良い。