清水宏『何故彼女等はそうなったか』(1956)

公開:1956年 監督:清水宏
主演:香川京子、高橋豊子、池内淳子、三重明子、三ツ矢歌子、井波静子、藤木の実、高橋まゆみ
問題を抱えた娘ばかりが集まる「少女の家」の女教師・小田。更生しても世間の偏見は厳しく、ついに水商売に身を落とす少女も現れ…。過酷な状況におかれた少女たちと、小田との絆を描く。池内淳子、三ツ矢歌子など新東宝の女優たちが更生途上の少女を可憐に演じる。

シネマヴェーラ丸亀城下の「少女の家」。香川京子の先生ぶりがやっぱり素敵。池内淳子は若すぎて、最初誰だか分らなかった。
清水監督のほのぼのした叙情性はやっぱりすごいと思う。不良少女が香川京子の布団にもぐり込んでくるシーンなど、すごく良かった。「不良少女といっても、恵まれない家庭や冷たい世間の偏見のせいでそうなっているだけだ、子供の心は純真無垢なのだ」というメッセージが強く発せられており、不良少女をめぐるその他の言説はどのようなものがあったのか、この映画のメッセージは当時どのように受け止められたのか、などが気になった。丸亀市の町並みは風情がある。