マンキウィッツ『裸足の伯爵夫人』(1954)

公開:1954年 監督:ジョセフ・L・マンキウィッツ 主演:ハンフリー・ボガートエヴァ・ガードナーエドモンド・オブライエン、ロッサノ・ブラッツィ、マリウス・ゴーリング、ヴァレンティナ・コルテーゼ
偶然映画に出演し、一躍大スターとなった裸足のダンサー・マリアはイタリアの伯爵と結婚するが、彼は性的不能者と判明。やがてマリアは不義の子を身篭ってしまう。ひとりの女優の人生が回想形式で綴られた巨匠マンキウィッツ初のカラー作品。エヴァ・ガードナーの成熟した魅力を堪能せよ。

長すぎてやや退屈だが、ゴージャス感はある。まずまずだが、『三人の妻への手紙』(1949)の方が良かったと思う。エヴァ・ガードナーの恋愛観がさっぱり掴めず、そこはもうちょっと描き込んでもらいたかった。金持ちだが偉ぶったり、突然キレたり、貴族でダンディーな男に出会ったと思ったら、イン・ポテンツだったり。訳がわからない。双葉十三郎氏によると、この作品は反シンデレラ物語、反ハリウッド、反金持ち連中、という、マンキウィッツの反骨映画なのだそうだ。へえ。