相変わらず不調。力が湧いてこないのと、些細なことに腹が立つ。
宮澤喜一の本を半分くらい読んだ。生々しくシャープな記述。頭良いのが嫌でも分かる。ドッジの重要性に気付かされた。緊縮財政の意義もさることながら、昭和25年に池田蔵相と宮澤がワシントンに密使として遣わされて、吉田の講和体制に関する腹案を伝える相手がドッジなのである。総司令部の頭越しの外交であったことから来る緊張感、占領体制下の圧迫感など読み応えは十分。宮澤の反骨心も良い。
それに引きかえ、上杉隆『官邸崩壊』に見られる安倍内閣のお粗末さ。これも半分過ぎたところまでしか読んでいないが、「信用できる」「お友達」を周囲に据える安倍の甘さはありえないと感じる。権力者が他人を信用してよいのは、戦略的な利害関係を前提としたその枠内においてのみであるはずだ。そもそも安倍晋太郎が甘かった可能性がある。保守系の安倍礼賛知識人がマキャベリを教えてあげればよかったのに。
福田和也が安倍政権の初期を褒めていたのは、中西輝政の存在ゆえではなかったかと思った。しかし最初のアジア外交の成功はたまたま時期が良かっただけだと思う。それから今日本屋で立ち読みして、勢古浩爾はやっぱりありえないと思った。