作業完了。
6割くらい衝動で買ってしまう。値段の高さよりも、この分厚さ!喫茶店で一時間半位、喜んでナナメ読みしていたのだが、かなりちゃんと書いてそうなので、ちゃんと読まないといけないかも。読んだら、気が向けばコメントするかもしれないが、面白いので扇情的な部分だけ引用しておこう。

「女性と一緒になると、とたんに彼は甘い言葉を囁き出した。誰でもいいという時もあって、まるで一人一人の女性の個性に対して『色盲』のようだった。どうも『女性性それ自体』が自動的に彼に火を点けるらしい。」(72)(女子学生の証言)

三〇年を超える結婚生活の間、アドノレノは自由に妻以外の女性とエロチックな関係を結び、しばしば情事に及んだ。その際、次々と変わる情熱の対象を妻に隠してはいない。女優のルネ・ネルへの彼の入れ込みようをグレーテルは知っていた。(73)

アドノレノにとって恋愛は、単に過去のイメージを情熱的に呼び出すことではなく、「人と人との間のやさしさ」が生まれる直接的な感情でもある。恋愛を支えているのは別の生き方への願望、つまり市民社会において目的合理的に組織された生とは別の生き方への願望である。(75)

なかなか理屈である。

アドルノ伝

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