ピエール・アンドレ=ブタン『ジル・ドゥルーズによるアベセデール』(1988?)

1988年、メディアに姿を現すことがなかった哲学者ジル・ドゥルーズが、テレビ用の長時間ドキュメンタリーに出演することを引き受けるが、彼の生前は放映しないことがドゥルーズからの条件だった。アルファベット順に選ばれた主題にそって、かつてのドゥルーズの生徒であり、友人であるクレール・パルネによってインタビューが行われた。撮影は3回に渡り、3時間ずつ、クリシー広場近くにあるドゥルーズのアパルトマンの中で行われた。ドゥルーズは、この作品の中で熱意を持って、親密な様子で語っている。Aは動物、Bは飲み物、Cは文化、Dは欲望……。はたしてスピノザヴィンセント・ミネリーの間に関連はあるのか? プルーストフランシス・ベーコンの間は? シラミと文化の間は?

飯田橋の東京日仏学院。初めて行ったけど、なんか凄い雰囲気だった。どういう人が何の目的で来ているのか想像できない。留学前に語学をちょっと…、みたいなことなのだろうか?
ドゥルーズに関しては200%野次馬根性。ある意味、場違い(笑)。今回は「A・B・C・I」の上映*1
ところが、システムがよく分からずに整理券をもらうのが遅れたら、「すみません、終わりのほうの人には、同時通訳の装置が足りません」とのアナウンスが入った。英語字幕もなく、300%理解できるはずなし。同時通訳されたところで、どこまで理解できるかあやしいのに。
というわけで、ドゥルーズの顔を「A」の分だけ拝んで帰ってきた。頑張ってジュスゥイゼクテしたが、結局ジュヌパコンプランドホだった(←私のフランス語能力。あってるか自信なし…)。
ドゥルーズは上野あたりにうろついていそうな、普通のおじさんでした。

*1:A comme Animal:動物/B comme Boisson:飲み物/C comme Culture:文化/D comme Désir:欲望/E comme Enfance:幼年期/F comme Fidélité:忠実/G comme Gauche:左翼/H comme Histoire:哲学史/I comme Idée:考え/J comme Joie:喜び/K comme Kant:カント/L comme Littérature:文学/M comme Maladie:病気/N comme Neurologie:神経学/O comme Opéra:オペラ/P comme Professeur:教授/Q comme Question:問い/R comme Résistance:抵抗/S comme Style:文体/T comme Tennis:テニス/U comme Un:単独性/V comme Voyage:旅/W comme Wittgenstein:ウィトゲンシュタイン/XY comme Inconnues:見知らぬもの/Z comme Zigzag:ジグザグ