リドリー・スコット『プロヴァンスの贈りもの』（2006）

A GOOD YEAR 2006年　英語　1時間58分 監督： リドリー・スコット 出演： ラッセル・クロウ 、マリオン・コティヤール、アルバート・フィニー
金融トレーダーのイギリス人マックスは、他界したヘンリー叔父さんの遺産を得ることになり、プロヴァンスを訪れ屋敷とぶどう畑の売却手続きをするつもりが…豊穣な土地の極上のワインが取り持つ、大人の恋の行方を綴ったヒューマン・ドラマ！！

ギンレイホール。超せっかちな英国人トレーダーが、フランスでスローライフを発見する話。私もせっかちなので、ラッセル・クロウのせわしない演技が心地良かった。楽しめた。
ただ、いつものようにヒネくれ批評を加えておくなら、この映画では期せずして「貧乏人にはスローライフは不可能」という世知辛い真理が浮き彫りにされている。「スローライフ万歳！」という雰囲気には斜に構えざるを得ない。土地も財産もある金持ちが気まぐれに「スローライフも良いかも」というのはずいぶん気楽な話で、貧乏人はゴー・トゥー・マック、リヴ・イン・ザ・姉歯ハウスなのである。リドリー・スコットもナイーヴな勝ち組にすぎないのだろう。無意識的な傲慢さが鼻についた。面白かったけど。