NHKスペシャル 病の起源 第1集「睡眠時無呼吸症〜石器が生んだ病〜」

▽睡眠時無呼吸症は放置すれば心臓病や脳卒中をも引き起こすという。人はなぜ睡眠時無呼吸症に苦しむようになったのか。樹木希林さんが時空を超え、病の起源をたどる旅。

たいへん興味深い。アウストラロピテクス種のガルヒ(約250万年前)が石器を使用し、動物の骨から柔らかい部分(肉、骨髄)を分離したことから、人類の顎が小さくなった。顎が小さくなったことで、丸い形で舌が骨格に収まるようになったことが、発声上の大変革をもたらした。複雑な発声が可能となり、人類は複雑な言語を操りはじめたのである(母音の発音がキーか?)。もちろんこれは進化上の人類の優位を意味した。
ぼくはロマンチストなので、「沈黙の響き」としての詩的言語が原初なのだ、とハイデガーばりに想像したくなるが、それ以前に石器と肉食があったというわけだ。だが詩的言語は使い減り忘れ去られて「日常言語」と化し、同時に丸い舌は、小さい顎のなかで気管を塞ぎ、無呼吸症、心不全脳卒中をもたらすのである。子どもには硬いものを噛ませよう!