クラシックのメモ
これがすごく良かった。録音の質も素晴らしい。
- アーティスト: ザンデルリンク(クルト),ショスタコーヴィチ,ベルリン交響楽団
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2006/09/06
- メディア: CD
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こないだもリヒターの「マタイ受難曲」を聴きなおしていたら、同時に読んでいた吉田秀和『世界の指揮者』が面白かった。
劇のアクセントの、もう一つの重点は、ペテロの裏切り(鶏が鳴く前に、彼は三度イエスの使徒であることを否定する)にある。これも作品が、すでに、そこに大きな比重をおいているからだが、演奏も、ここでは哀痛――いや峻厳でしかも悲痛――を極める。第四五番のレチタティーヴォ。福音史家と、三人の告発者とペテロの否認の交錯。そのまま第四六に入っての終り、「ペテロは外に出て、さめざめと泣いた」。この演奏で、胸をつかれないとしたら、その人はもう音楽をきく必要などまったくない人である。
「吉田秀和も宇野功芳みたいなこと言うんだなぁ」と面白かったが、まあそうも言ってしまいたくなるのも、分からないではない。バッハが偉大なのである。
- 作者: 吉田秀和
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/03/10
- メディア: 文庫
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*1:大学生のとき、フランス語を選択したまでは良かったが、その次に中国語を選んでしまった。当時は、中国の時代がくるか、とも思っていたのだが、どう考えてもその前にドイツ語だわな。