衣笠貞之助『狂った一頁[サウンド版]』(1926)

(59分・35mm・無声サウンド版・白黒)衣笠が横光利一川端康成ら「文芸時代」の同人に協力を仰いで製作した前衛映画。精神科病院を舞台に、混沌とした患者たちの世界が、激しいモンタージュ多重露光などの実験的手法を駆使して描かれる。1975年に衣笠自らが音楽を加えた「ニュー・サウンド版」を上映。
'26(新感覚派映画聯盟=ナショナルアートフィルム社)(監)衣笠貞之助(原)川端康成(撮)杉山公平(美)林華作、尾崎千葉(出)井上正夫、中川芳江、飯島綾子、根本弘、関操、南栄子、高勢実、高松恭助、坪井哲

フィルムがものすごくきれい。演出に新しさが感じられ、とても1926年の作品だとは思われない。大正デモクラシーの都市文化の成熟を示す作品だといえる。
ただし作品の筋はよく分からなかった。基本的には『カリガリ博士』みたいな話だが、細かい部分の筋がよく理解できない。眠かったので、最後の方で少し眠ってしまった。