バルタザールどこへ行く』の後、映画評論家のドナルド・リチーさんの講演があった。『アスファルト』は「『カリガリからヒトラーへ』(みすず書房)が面白く読めるんじゃないか?」と予想して見にいったのだが、想像以上に面白い作品だった。ベルリンの都市描写が素晴らしいし、警官をたぶらかす女泥棒を演じたベティ・アマンがたしかに官能的。『カリガリから〜』よりも、川端の文章を読んでみたいかも。