アメリカ人

skmt君からコメントをもらって、ちょっと思い出してみたんだけど、『ラスト・ショー』(1971)や『イージー・ライダー』(1969)のアメリカは、やっぱり異常に病んでいたんだと思う。とくに『ラスト・ショー』の寂寥感は強烈だった(知恵遅れの少年が砂嵐のなかで掃き掃除をしている。それだけでも悲痛なシーンなのだが、彼はトラックにあっけなく轢き殺されてしまう)。でも『イージー・ライダー』に見られたように、やはりあれはインテリが抱えたアイデンティティ危機だったわけで*1、インテリではないアメリカ人の危機というのは、これから問題になる(なりうる)危機なんじゃないかと想像する*2

*1:あのジャック・ニコルソンの姿は、一般大衆からするとオカマ野郎だろう。

*2:あくまで可能性でしかない。神がいるから大丈夫だという気もする。しかしその「危機」は少なくとも「アイデンティティ危機」という形式をとることはないだろう(それが60年代の危機だった)。