W.S.ヴァン・ダイク二世『桑港(サンフランシスコ)』(1936)

主演:クラーク・ゲーブルスペンサー・トレイシージャネット・マクドナルド、ジャック・ホルト、ジェシー・ラルフ、テッド・ヒーリー
火事で焼け出された牧師の娘・メリーは、歓楽街のカフェの唄姫として職を得、カフェの持ち主ブラッキーとの間に愛情が芽生える。そこへ現れた上流社会の紳士ジャックが、オペラ歌手という夢を叶えてくれたため、彼との結婚を承知してしまうメリー。しかし選挙を巡ってブラッキーを陥れようとするジャックの卑怯な行動を知ったメリーは、ブラッキーの助けようとする。丁度その時、サンフランシスコは大地震に襲われ、バーレーは無惨な圧死を遂げ、ブラッキーは焼け野原をメリーを捜して徘徊する。生き残った2人は再会し、新しいサンフランシスコのため人々と共に雄々しく希望に満ちて立ち上がるのだった。

ミュージカル兼大災害パニック映画。名作。主人公の女優が細身でかわいらしく、歌も上手い。オペラでプッチーニを歌うシーンも良かったが、カフェで「サンフランシスコ」を歌う場面も素晴らしかった。カフェとオペラが天秤にかけられ、カフェが選ばれるというのは、アメリカ人の好みが表れている。大地震のシーンは『戦艦ポチョムキン』みたいだったが、余震の演出が意外で効果的だった。ダイナマイトで爆破するシーンも迫力があったし、ブラッキーが信仰に目覚めるラストシーンは、ちょっと感動してしまった。