エジプト文明(NHK四大文明)

  • 3000年にわたって栄える。年間降水量はほぼゼロ、日中は50度。ナイル川流域のみに緑地。5000年前に誕生した文明。
  • エジプト全土には60のピラミッド。大ピラミッド(カイロ近郊)は、平均2.5トンの石を300万個積み上げたもの。底辺230メートル、高さ147メートルで、40階のビルに相当する。各辺が東西南北を向いた正方形。内部には入り組んだ通路と部屋。数学、天文学建築学を応用。
  • 「ピラミッドは10万人の奴隷が20年間働いて作ったクフ王の墓」と、伝承を整理したヘロドトスが記述。これが通説となってきた。奴隷社会の象徴としてのピラミッド。
  • ワークマンズ・ビレッジ(1990年発見)は、人骨、道具など、ピラミッド建設者の墓(600以上発見)。女性の骨が発見され、男女比率は半々だったことが判明。子供の骨も出土。骨折を直した外科手術の跡もあり、奴隷ではなく独立した民衆であったことがわかる。
  • 出勤記録を見ると、名前、欠勤理由が記されている。病気、さそりに刺された、誕生日、墓参り、ミイラ作り、二日酔いなど。ファラオを中心とした階層社会ではあったが、他の古代文明と比較して、民衆の自由度はきわめて高かった。
  • ピラミッドはなぜ作られたのか?一人のファラオが複数のピラミッドを作っている例もあり、本当にお墓なのか?という謎もある。
  • エチオピア高原タナ湖(琵琶湖の5.5倍)は、毎年6月から9月に雨期を迎える。増水した濁流は(ティシサップの滝)、上流から一ヶ月でエジプトに到達(7月〜10月)。水位は10メートルまで上昇(ピラミッドのすぐそばまで水が来る。石は川で運んだ)。ナイロメータ。古代エジプトでは、川の氾濫は神の罰ではなく、恵みだと理解された。
  • クルト・メンデルスゾーン(物理学者)は58歳でピラミッド研究を始める。ピラミッド公共事業説(1975)を提唱。unifying common task.what mattered was not the pyramid――it was building.川の氾濫期の公共事業(衣食住を保証)だったのでは?→カイの墓で立証。太陽神の信仰などの世界観も表した建築物。
  • 大ピラミッドの1000年後はピラミッドではなく、神殿建設へ(権力の安定、カルナス神殿(ルクソール))。
  • ミイラ。再生復活。魂はあの世とこの世を行き来。この世に戻ってくる場所としてのミイラ。ナイルの氾濫による自然の再生、死から生へというリズム。ツタンカーメンの墓(1922)。子供のミイラとともに埋葬。
  • アスワンハイダム(1960年に工事、1971年完成)によって、ナイルの流れはせきとめられる。近代化、住宅地の建設、化学肥料の使用による農業。