小沢の検察批判が不適切との批判があるようだが、ちょっとよく分からない話である。山本一太参院議員のブログでは「「三権分立」の民主主義国家である日本で、最大野党の党首が言う言葉ではない!!(苦笑)」(3月4日)と書かれ、民主党前原誠司も同趣旨のことをテレビで発言していた。河村官房長官も「(検察と権力の癒着など)ありうべきことではない」と言っていたが、要するに、「検察と権力の癒着を安易に疑うような政治家は、もし政権を握ったならば、権力側の操作可能な対象として検察を見るということであって、このような態度・見識は適切なことではない」という理路だと推測される。
しかし「政治権力と検察の不正な結びつき」は、「ありうべきことではない」ことかもしれないが、十分に「ありうる」ことであって、「この可能性を疑う態度一般」が問題とされるのは、それこそ問題含みであると思われる。「態度・見識を正す」ことで権力の暴走が止められるのであれば、「三権分立」など不要なのであり、「態度・見識」に頼ることができないからこそ、そこに制度的歯止めとしての「三権分立」が要請されるのである(と思われる)。ちなみに、検察と国家権力の不正な結合を防止するには、政権交代するのが一番効果があると思うが、そういう意味では今回の小沢発言は、「最大野党の党首」こそが「言うべき言葉」だったと考えることもできる(これはほとんど冗談だけど)。
絲山秋子ニート』所収の「ニート」「ベル・エポック」「2+1」を読んでみて、小説家ってのは文章が上手いな〜と普通に感心。なかなか興味深いのだが、主人公の女性のキャラが掴めなくて、これは作者自身のことだと考えてよいのだろうか?ダメ男と腐れ縁の女。立川談春の落語みたいな雰囲気もある(芝浜?)。

ニート (角川文庫)

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