Platon

Platonにとって、政治の問題は終始関心の中心にありながら、世界の全体的把握の中にそれを見直し基礎づけようとしたことにより、彼の哲学はソフィストにない広がりを持つことになった。19
さらに興味深いのは、Platonが人間はこの真実在イデアを認識したいという欲求を持っていると考えていることである。……こうしてPlatonは善良な人間、調和のとれた人間を実現するには、実は、それを育てることのできるポリスという問題につきあたるのである。22−23
……しかし、Platonがここで主張するのは、選ばれた人々は一面においては生活の手段を獲得する労働からは解放されているが、そのかわり、全身全霊をあげて公共のために献身しなければならないということである。26
(『ポリティコス』では『ポリテイア』と違って、)現実にはこのような心の政治家は得がたいから、偽りの政治家たちの横暴を防ぐには、結局厳重な法の力によるしかなく、不完全な政体のもとでは次善の方途として法や伝統nomosこそ必要となる(と考えられた)。31
(Platonは明晰な概念を用いて、)大きな包括的な世界観の中で、政治という営み、ポリスを作るという営みを理論化してみせた(画期的な人物である)。33