Aristoteles

(Platonは超越的な真実在をイデアと呼んだが、Aristotelesは)一つ一つの個物にその場所を与えて、生成発展という概念で全体を説明しようとした……36
形相は個物を超越しない.……逆に、個物が、やがて生成発展していく姿として、形相eidosは位置付けられている……37
Aristotelesにとってこのようなよい人間を作るには、生まれつき、理性logosに加えて習慣ethosが必要であって、それは法nomosによる統制によって可能であり、そして法はまさに政治の所産である。(従って、政治学倫理学は、理論的学問=自然学ならぬ実践的学問であり、また政策的学問ではない。)
Aristotelesはポリスは人間にとって自然であり、人間が本性によってポリス的な動物zoon politikonであるという。これはポリスが自然physisか作為nomosかというソフィスト以来の問いへの回答であるが、その意味は単に原初的な自然というのではなく、人間がそこで完成する形相としての意味をもつ。42
Aristotelesは)与えられた存在の中に、実は、理念の反映、あるいは本質の実現を見出すという一元的な世界観を作りあげたのであり、Platonのイデアは現象の世界とは「深い淵」によって隔てられているというような二元論の考え方とは対照的である。……(この考え方は)やがて中世において大きな意味を持ち、中世の体系を整理するのに使われることになる……48