須川榮三『君も出世ができる』(1964)

(100分・35mm・カラー)日本の音楽映画史に残る秀作として、再評価の機運も高い本格的な和製ミュージカル。須川栄三監督らは事前に本場アメリカのミュージカルを視察して撮影に臨み、とりわけビル街に400名を動員したというサラリーマンのシーンが圧巻である。また、雪村いづみの歌う“アメリカでは…”や高島忠夫の“タクラマカン…”など、谷川俊太郎作詞・黛敏郎作曲による挿入歌の数々も笑いを誘う。
’64(東宝)(監)須川榮三(脚)笠原良三井手俊郎(撮)内海正治(美)村木忍、竹中和雄(音)黛敏郎(出)高島忠夫フランキー堺雪村いづみ益田喜頓浜美枝中尾ミエ有島一郎、藤村有弘、十朱久雄、立原博、沢村いき雄、ジェリー伊藤

東京オリンピックの建設ラッシュ。首都高。戦中のボキャブラリー。アメリカ像。浜美枝
楽しめたが、高島忠夫の鈍くて頓馬な感じは、あまりうまく活かせていなかったのではないか。フランキー堺も頑張っていたし、ミュージカルへの志も感じたが、植木等が出た瞬間、一気にもっていかれそうになっていた。植木等の当時の勢いが凄すぎたのか。でも秀作。