黒木和雄『あるマラソンランナーの記録』(1964)

(63分・35mm・カラー)PR映画を作り続けることに限界を感じていた黒木が、その制度に挑む最後の闘いになった一本。東京オリンピックを目前にした長距離走者・君原健二のひたむきな練習生活を追ったが、黒木ら若手スタッフと東京シネマ首脳陣との対立が極限に達した結果、ついに黒木はPR映画界から飛び出すことになる。
’64(東京シネマ)(製)岡田桑三(撮)江連高元(録)加藤一郎(音)池野成(解)城達也

人はなぜ走るのか?君原にも観客にも誰にも分からない。君原はえんえん走り、観客はえんえんそれを見続ける。1960年代の北九州(たぶん八幡製鉄所)の街並みが興味深い。