黒木和雄『ぼくのいる街』(1989)

(23分・16mm・カラー)黒木自身も会員だった「平和博物館を創る会」に指名されて監督した短篇で、1945年1月の東京初空襲の際に亡くなったという東京・銀座の小学生が現代に甦る。高間賢治のキャメラは少年が銀座をさまよう姿をその目線の高さで追っている。
’89(平和博物館を創る会)(撮)高間賢治(音)加藤一郎(出)田中清久(解)荻野目洋子

昭和天皇崩御の際の国葬のシーンが挿まれている。あれからもう18年も立つのか、と思って、そりゃ年も取るわよな、と滅入った。でも、それだけ時間の立つのが早いことを考えれば、戦勝の報を聞いて浮かれていたあの時の国民の姿だって、そんなに遠い出来事ではないわけで、天皇を神様みたいに思っていた日本人が、今やテレビとかに洗脳されてエハラーとかになっているのだって、愚かなことだが、しゃあないな、という気持ちになる。そういう映画だった。