川島雄三『銀座二十四帖』(1955)

(117分・35mm・白黒)少女時代に肖像画を描いてくれた画家との再会を待つ主人公(月丘)は、行方知れずの夫を持ちながらも、銀座の花屋経営者コニー(三橋)に惹かれてゆく。物語よりは銀座の風景描写に力を入れたと川島本人が述懐するほど見事に都会が描写されている。歌とナレーションは森繁久彌
’55(日活)(原)井上友一郎(脚)柳澤類寿(撮)横山實(美)中村公彦(音)仁木他喜雄(出)月丘夢路三橋達也河津清三郎北原三枝大坂志郎、安部徹、岡田眞澄、長谷部健、浅丘ルリ子芦田伸介、佐野淺夫、織田政雄、小夜福子、関弘子、菊野明子、渡規子、久場礼子、星野晶子、相馬幸子

口直しに3本目。いつもシネマヴェーラの受付にいる女の人を発見(美人)。昨日もどっかで見たことのあるおじさんを発見して、ギンレイホールの人であることを思い出したのだった。みんな映画好きなんですね。
川島監督の特徴といえるかもしれないが、幕の内弁当的な作品だと感じる。銀座や大阪や各地のミニ銀座の風景が物見遊山的な気楽さで楽しめるうえに、銀座のバーやビッグバンドの楽しい雰囲気、子役時代のかわいい浅丘ルリ子の健康美、ハードボイルドな無国籍風ガンファイト、北原三枝のおきゃんな魅力、美人妻・月丘夢路の恋および家庭問題など、あらゆることが楽しめる作りになっている。森繁のナレーションと唄(「銀座の雀」)も楽しい。
三橋達也が真面目すぎて、観ている方からすると息苦しい。映画全体のテンポ感にも影響していた。まあでも月丘夢路北原三枝、ルリちゃんが美しく可愛らしいので、全体的にはまったく問題なく、大阪球場が出てきたシーンには胸が熱くなったのだった。あの傾斜のきつい内野スタンド!!