春日部さんはなぜ「萌えキャラ」か?

げんしけん』読了。最終巻では「春日部さんへの斑目の片思い」のテーマが反復されている。成田山のシーンも、部室で二人きりのシーンも、切なくて、沁みてくる。
特別編「恋と妄想の追い出しコンパ」では、春日部さんのキャラ属性が話題となっている。私見によれば、「自分の恋に関しては天然」こそが、彼女の萌え要素ではないだろうか?これは以前も述べたとおり、春日部さんの「不器用さ」(と斑目の不器用さのシンクロ)にも通じる話である。
考えてみれば、春日部さんと付き合っている高坂は「天然キャラ」なのである。高坂の「天然」を受け入れ、オタクさえも受け入れられるようになった春日部さんも、やはり「(恋に関して)天然」というべきであろう。頭の回転が早く聡明な彼女だが、この点で弱点を抱えており、この弱点こそが春日部さんの「萌えキャラ」を成立させている。
彼女の「天然」が生みだす斑目との絶妙な距離感、これこそ『げんしけん』最大の魅力にほかならない。

げんしけん (9) 限定版

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