阿辻哲次『漢字を楽しむ』(講談社現代新書)の第二章は、目から鱗の内容だった。教育現場で罷り通っている(「当用漢字字体表」に由来する諸々の)拘束力の非本質性が批判され、漢字の字形・筆順、トメ・ハネについて、もっと自由に捉えてよいのだと説かれる。自分としてもスッキリした面があるし、書道好き*1、中国史好きにも、魅力的な叙述になっている。

漢字を楽しむ (講談社現代新書 1928)

漢字を楽しむ (講談社現代新書 1928)

*1:顔真卿の木偏はハネるよね、的な。