中沢新一『アースダイバー』(講談社)は、皆さん、すでにお読みになったでしょうか?わたしはこの本を読んで、ものすごく感心したのである。
洪積層と沖積層の境界には、縄文文化の神話的想像力がしまい込まれており、それは深いところで、現在の東京を規定している。明瞭な整理によって自由を獲得しようとする人間の知性は、それだけでは窒息してしまい、野性的で湿り気を帯びた怪物的なものを必要としている。そのことが、表層化・記号化をめざす資本主義を相対化する知恵として、再び見出されなくてはならない。(というか、その知恵はひそかに働き続け、資本主義の運動を飲み込んでしまっている面すらある。)
渋谷の円山町のラブホテル街、新宿の縄文的盛り場、芝の東京タワー、三田と早稲田穴八幡、青山。死と性、有機的なもの、バロック的なもの。中沢が街に注ぐ視線はとんでもなくエロくて、変態そのものだ。モスラと東京タワーの話を引用したいが、他にも引用したいところが多々あるので、すべて省略。本郷の金魚、菊坂の植木。渋谷のところでは、村上春樹アフターダーク』を想起。資本主義・性・暴力・死・再生、渋谷の暗渠と冨士信仰。おまんこ。

アースダイバー

アースダイバー

友人がものすごい幸運を掴んだ話。こういうこともあるんだなあ、って思った。