2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

日本共産党

沖浦和光(浪花高、文学部)の回想。 はじめて左翼運動の実体に触れたのは戦後二ヶ月余が経った徳田球一などの出獄組の解放大会。社会科の時間を休講にしてもらって、教師も行かないかというわけで、大阪の中之島公会堂へ行った。まあ、見に行ったわけだ。十…

寒かったり、暖かかったり

きだみのるは春になると情緒不安定になると書いていたが、気温が日々変動するとどうしても身体にも影響するので、気をつけなければならない。 今日、気が向いたので、クライバーのベートーベン第5番、第7番を聴いてみたが、やはり駄目だった。中学生の頃、…

吉田ドクトリンの真相

普通、吉田ドクトリンの証拠として引用される言説は、宮澤喜一『東京・ワシントンの密談』(1956)の160ページの記述である。 再軍備などというものは当面とうていできもせず、また現在国民はやる気もない。かと言って政府が音頭をとって無理強いする筋のこ…

ホンモノの思想とは?

近ごろ、整理とか掃除とかをしたい気分。 共産党とか社会党とかの戦後史を本格的に勉強しようと思う。イデオロギーが有効だった社会的条件というのはもちろん冷戦体制だったわけだが、ほんらい理想の社会を構想し、それが実現しうる道すじを見出すというのは…

憲法改正論議

朝ナマで憲法改正の議論をやっている。フロ掃除をしながらチラ見する程度であるが、基本的にくだらない。変える理由も、変えない理由も、どちらもイデオロギー的だからだ。原則的に、改正するのは、プラグマティックな観点からでよい。プラグマティックな観…

金本知憲

NHKのドキュメント。阪神タイガースの金本に迫る。ほんと、金本はえらいなと思った。日本シリーズは金本の不調もあって負けたわけだが、あれだけ努力している人を非難することはできない。8月の満塁ホームランのときも、ものすごく体調が悪かったそうだ。な…

教科書のカラクリ

『論座』(2005年11月号)。この号は、なかなか読みごたえのある記事が多いが、「教科書のカラクリ 業界関係者が明かす舞台裏」に注目してみる。教科書会社の関係者、教科書執筆者らによる座談会を、苅谷先生が以下のように整理している。 検定に合格できな…

きだみのる『道徳を否む者』(1955)

古本屋で300円で売られていたので、思わず購入。パラパラと読みはじめてみたら、思わず一気に読み終えてしまった。傑作だ。この表現力は新鮮である。 きだみのる(山田吉彦、1895―1975)の本は、『気違い部落周遊紀行』『にっぽん部落』などを持っているが、…

国民学校について

先日、神保町の「ろしあ亭」で、隣の女性二人組が残したご飯に文句をつけている初老の男性がいて、連れの妻とおぼしき女性が、「すみませんね、この人が小学校だったときには、食べるものが何にもなかったの」とフォローすると、その男性は、「国民学校!」…

『チワワちゃん』

岡崎京子。感情移入というのではないけれど、たとえば次のような文句にみられる「強迫性」に、私はまずは現代的関心を抱く。 ねえ?きっとみんな退屈しているんだよ/何かに夢中になりたくて必死なんだよ/みんな何かを好きになりたくて たまんないんだよ/…