加藤泰『緋牡丹博徒 お竜参上』(1970)

東映京都 100分 脚本:加藤泰鈴木則文、撮影:赤塚滋、美術:井川徳道、音楽:斎藤一郎 出演:藤純子菅原文太、山岸映子、嵐寛寿郎若山富三郎汐路章、安部徹、山城新伍
シリーズ中屈指の傑作といわれる第6作。渡世の旅を続けるお竜が、一匹狼の渡世人と共に浅草を縄張りとする一家を助ける。(新文芸坐)雪の今戸橋のシーンがあまりにも有名なシリーズ第六作。

『三代目襲名』が傑作であったのと比べると、こちらはやや劣る。人の出入りが多すぎるのと、斬り合いが血みどろで美しくない(これはマキノと比べると歴然としている)。お竜の姪っ子が重要な役どころであるにもかかわらず、恐ろしく不細工なのもマイナスポイント。ただしクロースアップで捉えられた藤純子の表情には、忘れ難いものがある。