2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

音楽に癒されたい

疲れた。疲れきった。 こういうときに聴きたいのは、ヴァントの精妙さでもなく、ムラヴィンスキーの凄みでもなく、クライバーの動物的生々しさでもない。どんなにボロボロのアナタでも受け入れてくれるような、優しい音楽を聴いて癒されたい。 ジュリーニ指…

吉田茂『回想十年』

最近、ようやくブログを書き慣れてきた。やっぱりあんまり密度の濃いことを書こうとすると失敗するので、気になったことをピンポイントで書くのがよいみたい。またネット環境が整備されて一ヶ月間、ネットはかなり面白い。色んな人が色んなことを考えて、膨…

廃墟のなかの天使――『歴史哲学テーゼ』

困ったときの思想史ネタ。今日はベンヤミン『歴史哲学テーゼ』。 今村仁司『ベンヤミン「歴史哲学テーゼ」精読』(岩波現代文庫)によると、ベンヤミンが切りひらいた方法論は、マルクスの問題意識と共通するものだったという。それは、次の背反する二つの課…

『徹底検証 大学法人化』

今日読んだ本は、中井浩一『徹底検証 大学法人化』(中公新書ラクレ)。何気なく読みはじめたのだが、非常に重要な本であることに気づく。 橋本政権下での行革路線のなかで国立大学独立法人化という方向が打ち出されたこと、通産省傘下の科学技術庁が文部省…

『ボン・ヴォヤージュ』

ギンレイホールでひさびさに「合格」の映画。 『ボン・ヴォヤージュ』(ジャン=ポール・ラブノー監督、2003)。1940年6月14日、ドイツ軍によってパリは占領されるが、それにともないフランス政府は田舎町ボルドーへと移転した。その混乱のなかで、若い小説…

『ドキュメント 平成革新官僚』

さて、そのドトールで読んでいたのが、宮崎哲弥・小野展克『ドキュメント 平成革新官僚』(中公新書ラクレ)である。この本の大きな主張は、次のとおり。 行政改革をすすめる際、「民間の知恵を借りる」という発想をよく聞く。その必要性は否定しない。/だ…

十条銀座のハイジおばあちゃん

十条銀座商店街のドトールで読書をしていたら、頭のおかしいオバアチャンに遭遇したので、報告する。 その時、レジには、韓国人とおぼしき三人の女性が、注文のためにならんでいた。オバアチャンは店に入ってくるなり、せわしなく動きまわり、ケーキのショー…

江藤淳「南州残影」

ひじょーにつかれているので、知っていることでお茶を濁す。 江藤淳「南州残影――全的滅亡の曲譜」を読んでみる。 西南戦争のとき、西郷は、熊本鎮台宛に紹介書を送付した。 拙者儀、今般政府へ尋問の廉有之(これあり)、明後十七日県下発程、陸軍少将桐野利…

『チェーホフ』

浦雅春『チェーホフ』(岩波新書)。やはり好著だった。 著者は、チェーホフ(1860−1904)の作家像について、次のように語る。 ……実は、「愛すべき作家」という相貌の陰には、入念に被いをかけられた「非情さ」が隠されていた。清澄で叙情的と見られる文体の…