2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

なぁんにも無し

何のインプットもない一日。したがって、書くことも何も見つからない。悲しい。 帰り道の古本屋で、ハイデガー『形而上学入門』(平凡社ライブラリー)が300円という格安だったので、買った。アルノルト=ベックリーンという人の『死の鳥』という絵画が表紙…

豊田四郎『雪国』(1957)

雪国(133分・35mm・白黒) すでに文学作品の映画化で世評の高かった豊田が、川端康成の国民的名作に挑んだ作品。スマートで洗練された雰囲気を持つ岸恵子にあえて雪深い温泉場の芸者を演じさせ、そこから新しい駒子像を誕生させた演出家の力量に瞠目させられ…

千葉真一のセリフ

リリー・フランキー『日本のみなさんさようなら』(文春文庫PLUS)を読んでいたら、『仁義なき戦い・広島死闘編』(深作欣ニ監督、1973年)のコラムがあり、そこには千葉真一のこのセリフが引かれていたのだった。 何がジャーナリズムじゃ!!芸術じゃ言うて…

リリー・フランキー『東京タワー』

夜明けまでかかって、リリー・フランキー『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』を読み終えた。たいへん密度の濃い、美しい作品である。文章の衝迫力はただならない。お薦めして良い本だと思う。 「親子」の関係とは簡単なものだ。 それはたとえ、はな…

『パッチギ!』

2004年。井筒和幸監督。主演、塩谷瞬、高岡蒼佑、沢尻エリカ。 青春映画としては、文句なしの大傑作だと思う。理屈抜きに素晴らしい。分断された朝鮮半島、日本人と在日朝鮮人、ベトナムをめぐる世界情勢――それらの問題が出口を求めてエネルギーを溜め込んで…

キム・ギドク『サマリア』(2004)

主演、クァク・チミン、ソ・ミンジョン、イ・オル。 援助交際をするジョユン。親友のヨジンは見張り役だ。二人の夢はお金を貯め、一緒にヨーロッパに行くこと。ある日、モーテルで援交していたジェヨンは、警察から逃げようとして窓からオチ、死んでしまう。…

100日目

ブログを書いた日数が100日に達しました。もはや習慣ですね。 阪神タイガースの調子が良いです。このままだと優勝もありえます。個人的には、福原の投球テンポが悪いこと、スペンサーと桧山の併用、藤本の不調(最近は持ち直してきましたが)が、気になる点…

『自己内対話』より

SPAを立ち読みしていたら福田和也と坪内祐三が、ブログなどで若い人が書き散らすのは、もし彼らが物書きになりたいのだったらあまりよくないことだ、と話していた。表現欲求をギリギリまで抑圧することで、物書きに必要とされる観察力・分析力は鍛えられる。…

『福沢諭吉の真実』

平山洋『福沢諭吉の真実』(文春新書)を読む。これは大変立派な仕事である。福澤をどう評価すべきなのかについて、自分はずっと疑問だった。「市民的自由主義者」と評価するのか、それとも「侵略的絶対主義者」と評価すべきなのか。本書は、福澤は間違いな…

『人の移動と近代化』

都議会選挙の日だが、いざこざのせいで自民に入れるのも何だし、かといって民主の候補者は松下政経塾出身で気に入らないので、投票所には行かなかった。投票率は低かったようで、テレビを見ていると公明党の躍進が目立っている。いいんじゃないでしょうか、…

N響定期公演に行く

自分はまともに社会生活をこなせない欠陥人間であるが、趣味ならば熱心に追求できる。つまりは不良人間なのだが、今日はフィルムセンターに出向いて、豊田四郎監督『夫婦善哉』を観る予定だった。しかし洗濯に手間取ったため、15分前に到着したときにはすで…

メモ

中2の女の子が「将来の夢とかないんですよ」というので、別になりたいものがなくても就職は出来るよ、ビール会社につとめようと思うのに夢とかいらないでしょ、といったらすごく納得していた。お金持ちの男と結婚するのが目標で、すこしはOL時代も謳歌しよ…