2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

沢柳政太郎

今日のNHKスペシャルは、明治時代の学校教育について。長野県開智小学校出身の文部官僚・沢柳政太郎(まさたろう)の一生を追う。学制が公布されたのは明治5年、小学校が爆発的に建設されたのは明治8年。立身出世を謳った学制に象徴的なように、小学校…

稲垣浩「無法松の一生」(1943)

(104分・35mm・カラー)阪妻主演の戦中作『無法松の一生』が、検閲によって未亡人への思慕の念を打ち明ける場面がカットされたため、伊丹万作の名脚本を完全に残そうと三船と高峰コンビによるカラー、シネマスコープ・サイズで再映画化された。ヴェネチア国際…

「桜」本

ソメイヨシノは10日もすれば散ってしまうので、旬のうちに、と読書。『桜が創った「日本」―ソメイヨシノ 起源への旅―』という題名から、読むまで、私は少し誤解をしていたようである。てっきり、桜のイメージが歴史的に創造されていくなかで「日本」というナ…

夜桜

12時過ぎて王子駅に着いたのだけれど、行き交う人がなんとも浮き足立った雰囲気で、ああこれは花見の客だなと独り思い、飛鳥山の夜桜でも見物しようかと坂をのぼったら、坂の途中のラーメン屋「みのめんた」には、常ならぬ数の客が入店していて、こんな夜に…

日記

今日は本当に忙しかった。ごちゃごちゃした議論やなんやが色々とあり、コンパでは30名以上の人間を相手に仕切らねばならず、それはまったく私のキャラクターとは正反対であるにもかかわらず、二次会会場の手配およびその会計まで担当し、不特定多数の人間の…

内田樹の教育論

週刊ダイヤモンド2005年4月特大号が教育特集だったので読む。内田樹が「経済合理性一辺倒から離れ 教育観にバランス感覚を」というインタビューを寄せている。内田はこのなかで、現在の学校教育が「サービス業」と「工場」という二つのメタファーによって特…

今日は雑務で疲れた

今日は、研究室の雑務などで、あわただしく過ぎ去った一日だった。慣れないことをすると、確実に疲れる。普段、疲れることをすることに慣れていないので、二重に疲れる。明日も忙しくなりそうだ。飯田橋の名画座でやっている映画が明日までなので、無理を押…

佐藤卓巳『言論統制』

あほ。長いわ。分厚いわ。437ページって殺す気か。新書ちゃうかったら、またまたわが家の本棚を圧迫するところやったわ。ほんま新書でよかった。まあ力作なんは認めるし、随所に勉強なるところはあったがな。とはいえ始めに言うとくけど、文章、決して読みや…

戦間期フランスの知識人交流

調子出てきたから桜井哲夫『「戦間期」の思想家たち』の書評や。関西人やない人は、島田紳助あたりの声を乗せてもろたら、読みやすいんちゃうかな。「紳」助ゆうて、ぜんぜん紳士やあらへんけどもな、あいつ。見損なったもん、正直。吉本の会社の人間が、社…

岡崎京子のマンガはええで

ブログを書くのもいい加減疲れてきました。あまりにエネルギーを投入しすぎて、ちょっとおかしくなってるし。肩こるし、目つかれるし、どないしたらええねん。シュー論書くときもこんなことなかったぞ。だいたい、このフォーマットに書き込むときの字が小さ…

オルテガ『大衆の反逆』

つい一月ほど前にもざっと読んだのだが、昨日内田樹先生のブログを読んで啓発されたので、ふたたび読む。やっぱり面白い。そして深い。 いきなりバカバカしいことを言うが、『大衆の反逆』というのはもちろん、エリートの専制支配に対し大衆が反逆する、とい…

松崎天民のパクリ

「seiwaが、ブログを書いているそうな。題して『和みワールド』だつて……」 「相変らずダサいな。『何とか日記』とか、『何とかダイアリー』とか、シャレた題名が有りさうなものだに……。『和みワールド』とは余りに平々凡々ぢやないか?」 「その無味平凡な所…

竹島のはなし

近頃、竹島問題がかまびすしい。韓国の世論は、そうとう沸騰している模様。日本は、静観といった構えだが、私も、どうしてあんなに騒いでいるんだろう、といったくらいの気分。彼我の温度差は、いったいどこからやってきたのだろうか。日本の常任理事国入り…

差別本:エピソード編

上記では、あまりに抽象的に『被差別部落のわが半生』を紹介してしまったが、本来ユーモアとエスプリに富んだ本なので、その面も紹介しておこう。 何と言っても、この著者、私の先輩なのである。1941年生まれで現奈良県県議会議員の著者は、高校は畝傍高校出…

『被差別部落のわが半生』

山下力『被差別部落のわが半生』(平凡社新書、2004)を読む。まごうことなき名著。すべての人に推奨したい。絶対に読むべきだ。 たいへんユーモラスな文体で書かれていて、随所に笑いのツボが用意されており、それは本書の特筆すべき美質というべきだが、こ…

談志師匠

夜も更けきったというのに、見上げると、空が薄明るい。霞がかった夜気が、都市の明かりを反射しているのだろうか。春なんだな、と思う。スギ花粉で、いつも、それどころでないから。 書店で、雑誌『en-taxi』を立ち読み。表紙が、立川談春。 中味は、談春と…

AVは大丈夫!

と、ラジオでM君、断言。 本日より、東京都の繁華街での客引き、声かけが禁止に。週刊誌等では、これによるエロ本、AVの質低下が懸念されているそうだ。 しかしM氏によれば、その心配は杞憂とのこと。もともとAV嬢を輩出しているのは、国道16号線沿い…

ドレフュス事件

ということで、ドレフュス事件(1894)のことを話さないと、話が終わらない。知識人がメディア上で論戦を戦わせた事件としても有名な、普仏戦争後フランスにおける、ユダヤ人大尉スパイ容疑をめぐるこの事件。「事件は神秘(ミスティク)によって生をあたえ…

『社会主義およびサン・シモン』

サン-シモンというと、なんだか爽やかそうな語感とは別に、奇矯な振る舞いが有名。本人みずから、シャルルマーニュ大帝の生まれ変わりを僭称し、膨大な財産を食いつぶしてまで、研究にあけくれた逸話が伝わっている。宇宙を支配する根本原理を、万有引力の原…