2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「理想主義的伝統」(1937)

ということで、今日も本当に書きたいことは書かずに、二番目に書きたいことを書く羽目になるわけだ。まずは「Durkheimの政治社会ガク」(1977)から。 ParsonsによるDurukheim解釈はもっとも影響力が大きく、以来、『社会的行為の構造』でうちたてられたDurk…

どうしよう……

最近このブログの運営方針について考えているのだが、必ずしも書きたいことをそのまま書いているわけではないので、ちょっと不自由を感じるんだよね。書評とか映画評だけでなく、他人から聞いたことや思いつきなども、もっと直接に書きたいような気がする。…

『ゲーテとの対話』(1836)

エッカーマンという真面目な文学徒が、ゲーテに気に入られ、その言行録を書きとめた著作。上巻だけ読んだけれど、ものすごく面白く、すいすい読める。以前、中学生用の受験問題集のテキストで、中野孝次がこれについて論じていたのを見たが、おそらく日本の…

竹内好に関するエピソード

国民文化会議編『転換期の焦点6 同時代人丸山眞男を語る』(世織書房、1998年)。加藤周一と日高六郎の講演内容などが収められているのだが、加藤と日高の対談の中で、興味深いエピソードが紹介されていた。日高は、丸山眞男と竹内好との関係について、「た…

『妻として女として』

「三角関係」を描いた傑作映画。1961年。高峰秀子、淡島千景、森雅之、仲代達矢、、星由里子、水野久美、淡路惠子、飯田蝶子、丹阿弥谷津子。 妻として女として(106分・35mm・カラー) 戦後の混乱の中、妻ある男(森)に頼って生きるしかない女(高峰)が、男の本…

昨日は(Rousseauについて)

書くことができなかったことを、ひとつだけ書く。Rousseauは『社会契約論』で、こんなことを言っている。 (社会とは)それを構成する個々の存在とははっきり区別された固有の特性をもつ精神的存在である。そのことは、化合物がその構成部分の単なる混合から…

今日は

どちらかというとダメな一日だった。

次期総理のゆくえ

立花隆先生によると、安倍晋三が次期総理となるためには、佐藤第四期政権を導いた田中角栄の顰にならう必要があるそうだ。しかし、小泉チルドレンが小泉政権の延長に向けて政治的な演出をほどこす、という読みは、捨てきれない読みであるだけに、おぞましさ…

『宗教と資本主義の興隆』(1926)

トーニー著、岩波文庫。上巻だけざっと読んだのだが、たぶんこれは名著だと思う。Weberは比較宗教社会ガク的観点から、なぜ西欧にだけ資本主義が誕生したのか、という問いを追究したけれど、それはプロテスタンティズムと資本主義の関係性を総体として解明し…

「あの楽しかりし日々」(1952)

ジョージ・オーウェル(1903−1950)『象を撃つ』所収。オーウェル幼少期のプレップ・スクールでの体験を振り返ったエッセイで、これはトラウマの告白である。平明達意の名散文であるが、涙なしには読めない。どうしてこんなにひどい教育がおこなわれ、また親…

成瀬巳喜男『おかあさん』(1952)

フィルムセンターで、成瀬監督『おかあさん』(1952)を鑑賞。 おかあさん(98分・35mm・白黒) 戦災で焼け出されたクリーニング店を再び盛り上げようと、夫や息子を失いつつも懸命に生きる母(田中)、とその姿を見つめる娘(香川)。小学生の作文から着想された…

昨日、フルトヴェングラーを聴いた

昨日は疲れて、パソコンを開く気にもなれず眠ってしまった。眠る前にチェリビダッケ『ワーグナー管弦楽集』、ムラヴィンスキー『ニュルンベルクのマイスタージンガー/ブラームス交響曲第二番』を聴いていたのだが、ハンス=フーベルト・シェンツェラー『フ…

『自虐の詩』

業田良家『自虐の詩』。四コマ漫画でありながら、上下二巻で怒涛の大河ドラマとなっている。素晴らしい。呉智英が薦めていたので読んだのだけど、たしかに泣ける内容である。自虐の詩 (上) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)作者: 業田良家出版社/メーカー: 竹…

ちょっと気になる

本当は勉強の成果をメモするはずだったのだけれど、なんだか気分が乗らないのでヤメにして、少し気になったこと。 バブルの兆しがある、らしい。 たしかに、不良債権処理の結果、銀行の経営体質は改善したはずなのに、それほど企業向け貸出が増加しているわ…

『正しい保健体育』

みうらじゅん。たとえば、次のような記述は「正しい」。 もともと男子は、金玉に支配されるようにできています。 金玉というのが本体で、その着ぐるみの中に全部入っているのが、人間の男なのです。 いつのまにか進化した人間は、その「金玉着ぐるみ」からは…

「いかなる意味でも文学者ではなく」(1900)

ある御者が語った、火事で焼けくずれた廃屋の話。 鍛冶屋の男がいた。仕事の出来ることを誇りにしていたその男は、若くて美しい妻を迎えた。そんな気難しい男のもとに、優秀な弟子がやってきた。だがその弟子は、師匠よりも仕事が出来たのだった。目障りに思…

森茉莉による高峰秀子

特別なことをしたわけではないのに、今日はなんだか疲れた。なんだか疲れたので、成瀬映画でも観たいな、という気分になり、高峰秀子のことを思い出した。森茉莉の『ドッキリ・チャンネル』より。 高峰秀子といえば今度の女房役は清く正しく美しくの母親役と…

「自分探し系」VS「引きこもり系」再論

昨日も書いたように、「経験的=超越論的二重体」としての人間をあつかう人間諸科学は、三つのレベルで、内在的な限界と格闘することになるわけです。すなわちそれは「経験的なものと超越論的なもの」「コギトと思考されぬもの」「起源の後退と回帰」の三つ…

ネコの話

「なごみワールドなのに、全然なごめない」ともっぱらの噂なので、実家のコタロウの写真を貼りつけてみました。 そういや今日は、カテキョ先のネコにひっかかれて、唇から流血しましたよ。ネコの眼は乾燥したらどうなるか、という実験をしようと、左眼だけを…

アレハンドロ・アメナーバル『海を飛ぶ夢』(2004)

原題は『MAR ADENTRO』(2004)。監督、アレハンドロ・アメナーバル。主演、ハビエル・バルデム、ベレン・ルエダ、ロラ・ドゥエニャス。 「四肢麻痺の障害者ラモン・サンペドロの手記『LETTERS FROM HELL』を映画化」(ギンレイ)ということだが、まずまず良…

ヒコリン再上京

今日はSimmeについてかなり知見を深めたので、それについて書くつもりだったのだが、実はヒコリン(←キミー)が再上京し、いまわがChambreを占拠しているのである。隣で難しい顔をして寝ているのだが、それは私が電灯を煌々と点しているせいでもある。なので…

『物語 古代ギリシア人の歴史』

だいぶ前だが、著者の授業を受けたことがあるので、読んでみた。タレスがどう、とか書いた手前もあることだしね。副題は「ユートピア史観を問い直す」だが、古代ギリシアをめぐる歴史的想像力を刺戟してくれる良書である。 古代ギリシア史の流れは、①「ポリ…